高校を舞台にした学園漫画なのですが・・・

銀の匙の舞台は、大蝦夷農業高等学校(通称、エゾノー)という農業高校です。

「汗と涙と家畜の酪農青春グラフィティ!!」というキャッチコピーの通り、

都会育ちの主人公が動物や酪農を通して、

「生きるとは何か?」など、人として大切な生き方を学んでいく、

非常に奥の深い青春漫画です。

 

進学校から、家族から逃げ出した主人公

進学校から、家族から逃げ出した主人公の八軒は、

エゾノーには珍しい一般家庭からの入学者です。

 

道内でも有名な中高一貫校に通っていたのですが、落ちこぼれてしまった結果、

ノイローゼ気味になってしまいます。農業高校への進学を先生に勧められた八軒は、

勉強ができ性格も良い兄へのコンプレックスや、

勉強の出来が何より大切と考える父親から逃げだすようにエゾノーに進学することになりました。

 

エゾノーは全寮制の高校だったので、家から離れたい八軒にはぴったりでした。

 

個性のある友達、先制に囲まれて

入学した八軒の友達や先生は、個性的な人ばかりですが、

みんなそれぞれに夢や将来に希望を持って入学しています。

 

八軒は最初、勉強でトップを取ることを目標にしていましたが、

個性的な友達の自由だけど真のある生き方や実習、部活(乗馬部)を通して、

本当にやりたいことをする大切さに気づいていきます。

 

勉強がすべてと考えていた、歪み偏った価値観が、

友達や先生との生活を通して、徐々に矯正されていくのです。

 

逃げることはネガティブに考えがちだけど

生活や仕事の場において、逃げることはネガティブに考えられがちです。

漫画の世界でも、困難にも立ち向かい、それを克服し、最後に勝利をおさめるというストーリーが多く、

それを読み、心踊らし、励まされます。

そのせいで、「逃げては駄目だ」という考え方になってしまいます。

 

でも、頑張ろうとするあまり、心や身体を壊してしまっては意味がありません。

八軒はエゾノーに逃げて来ましたが、逃げて辿り着いた場で、

逃げたことに対するコンプレックスを克服し、

真摯に、一生懸命生きることで、かけがえのないモノを手に入れます。

 

正しい逃げもある

「人間万事塞翁が馬」ということわざにあるように、人間の吉凶・禍福は入れ替わります。

仕事をしていると、どうしようもないことにぶつかることもあります。

そんな時、「逃げたらいけない」という呪縛から自分を解放し、

逃げたことをプラスにするにはどうすればいいかという視点も重要ではないでしょうか。

 

逃げたことにコンプレックスを持つ八軒に校長先生が言った言葉です。

『逃げ道のない経済動物と君達は違うのですから、生きるための逃げは有りです。有り有りです。

逃げた事を卑下しないでそれをプラスに変えてこそ、逃げた甲斐があるというものです。』

頑張って疲れて、どうしようもできなくなった時に、是非思い出したい言葉ですね。

 

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