監督を主人公にした珍しい漫画『GIANT KILLING』

『GIANT KILLING』は、日本語で言えば「大物食い」、

いわゆる「番狂わせ」という意味で、スポーツなどの世界で、

実力的には劣る格下が力のある格上の相手に勝利した場合に使われる言葉です。

 

主人公は、現役時代、数々の番狂わせを実現してきた達海猛(たつみ たけし)。

達海は、日本代表にまで上りつめたスター選手ですが、海外移籍をして、

再起不能のケガをしてしまいます。

一方、達海が所属していた日本のプロサッカーチームETUも、達海の抜けたあと低迷し、

弱小球団になり下がってしまいます。

 

現役を引退した達海は、

イギリスのアマチュアクラブを率いて目覚ましい成績を上げていたのですが、

古巣ETUを復活させるために監督として招かれます。

『GIANT KILLING』は、そんな達海が独自の手法でチームを復活させ、

再建していく姿を描いた漫画になります。

 

『GIANT KILLING』は監督を主人公にしている漫画だけあって、

リーダシップ、チームビルディング、チームマネジメントなど、

組織やチームを率いるうえで必要な考え方を色々と学ぶことができます。

今回は、その中で、どのようにしてチーム力をどのようにして高めていくかについて紹介します。

 

チーム力を高める方法とは

チーム力を高めるために必要なものについて、

達海は「チームの勝利」だと言い切ります。

 

この考え方は、野球の話になりますが、

西鉄ライオンズの“知将”三原監督の名言である

「アマは和して勝つ。プロは勝って和す。」に通じる考え方です。

 

三原監督は、勝つためにチーム内での競争にこだわり、

仲良し集団ではなく、互いに切磋琢磨し、勝つ集団になることを選手に求めました。

達海も同じく、チーム内での競争を選手に求め、

競争こそチームの成長の源泉であるという意識を選手たちに根付かせます。

 

正しい競争を引き出す3つのポイント

チームメイトとの競争を意識するあまり、足の引っ張り合いになってしまっては意味がありません。

強くなるどころか、チームがバラバラになり、チーム力は低下してしまいます。

達海は、それを防ぐため、競争の大切さを説くと同時に、

正しい競争を引き出すための2つのことを選手に伝えました。

 

①チーム内での競争は、個人の力を伸ばすことに繋がるということ

②自分の評価するのは、チームへの貢献であること

 

競争は個人の力を伸ばすチャンスであること

プロのスポーツチームは、勝つための戦力補強が当たり前のように行われます。

ETUも強くなるために補強をします。ポジションの数が決まっているスポーツでは、

選手を補強するということは、現状その役割を担っている人にとって、

活躍の場を奪われる大ピンチです。

 

そう考えてしまう選手たちに、達海はそのピンチこそが、

自分の力を伸ばす良いチャンスになると説明します。

 

確かに自分のポジションを脅かされるということがなければ、

のほほんと過ごしてしまうかもですが、危機感を持つことで、

ライバルに勝つために自らを成長させようという意識が働きます。

まさしく切磋琢磨です。

 

ビジネスの世界では、スポーツほどポジションが限られていないので、

なかなかここまでの危機意識は持てないかもしれないですが、

競争を意識することで、仕事への意識が変わるかもしれません。

 

チームへの貢献が大切であること

達海は、競争に敗れたものへのケアも怠りません。

たとえライバルに敗れ、ポジションを奪われたとしても、

その選手のできる形でチームの勝利の貢献することの大切さを説きます。

 

自分が重要なポジションに立ち、活躍することを第一に考えてしまうと、

チーム内の競争に敗れ、そのポジションを失った時にモチベーションが下がりますが、

「自分が今できる貢献を考えろ」と伝えることで、

競争に負けた選手に対するモチベーションを引き上げます。

 

チームにとって、チームの勝利に直接つながる花形の選手も大切ですが、

そういう選手を支える「脇役」的役割の選手の働きが

チーム力の差になって表れることが多々あります。

競争に負けた選手を腐らせないことも、正しい競争を根付かせる重要な考え方です。

 

あと、この考え方とセットになって大切なことが、

そういう地味な、一見見逃されがちな「高健」をきちんと見て、評価するということです。

達海は、試合に出ていない選手に対して

「自分の働きでチームを勝たせることを考えて動いている奴らの働きを、

オレはちゃんと見ている」という言葉でそれを伝えます。

 

実践するのは難しいですが、頑張って貢献しても評価されないのであれば、

なかなか続けることはできません。

仕事の場では、部下が自分で自分の考える貢献をアピールしやすいような雰囲気を

作るところから始めるのが良いと思います。

 

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